子宮頸がんとワクチンについて
子宮頸がんは年間約1万人が罹患し、約2,800人が死亡しています。患者数・死亡者数ともに近年漸増傾向です。年齢層べつに見ると50歳未満の若い世代での罹患の増加が問題となっています。
子宮頸がんのほとんどがHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因と考えられています。このウイルスは、女性の多くが “一生に一度は感染する”といわれるウイルスです。 感染しても、ほとんどの人は自然に消えますが、一部の人で”がん”になってしまうことがあります。 現在でも感染後に”がん”を発症しやすい人の傾向がわかっていないため、 感染を防ぐことが、子宮頸がんにならないための有効な手段です。

                   


ワクチンの効果
HPV(ヒトパピローマウイルス)にも種類があり子宮頸がんを起こす種類とそうでないものがあります。子宮頸がんの原因になるとされるウイルスは全体の50~70%を占めています。HPVワクチンは、がんを起こす原因になるウイルスに対するワクチンです。HPVワクチンの接種により、未接種で感染した場合の数倍の量の抗体を9年以上維持できることが研究によりわかっています。
現在では、“がん”そのものを予防する効果を実証する研究も進められています。 

 

ワクチンのデメリット
接種を受けた部分の痛みや腫れ、赤みなどの症状が多くの方に起こっています。 筋肉注射という方法で注射をするためインフルエンザの予防接種と比べても痛みが強いと感じる方がいます。ワクチンの接種後、稀に重い症状(アレルギーや神経の症状)が起こることがあります。また、広い範囲の痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動(体の一部が勝手に動く)といった色々な症状が報告されています。ワクチンの副反応か分かっていないものも含めて「接種後に重篤な症状が出た」という報告の件数は、ワクチンを受けた方、1万人に対し5人位になります。 ワクチンは合計3回接種しますが、1回目、2回目の接種で気になる症状が現れた場合は、それ以降の接種を中止することもできます。